2013年6月23日日曜日

米唐番

我が家で愛用の米唐番さんは、唐辛子成分で米びつの防虫をしてくれる、24時間勤務のバリバリ系スタッフでございます。
唐辛子型の可愛い体いっぱいの唐辛子成分を費やして、空っぽに燃え尽きるまで働く米唐番さん。
見た目は赤いけど、勤務体制はまさにブラック。
米を掬う度、切なくなります。

1代目が退任したので、2代目を採用して、早2ヶ月。
湿気も気温も上昇して、虫の湧きやすい時季ですね・・・。
まぁうちは、米唐番さんにお任せしているので、お米についてはほんとに安心。
1代目の時も虫の「む」の字も見なかったし~、と思っていたのですが、なんだか米唐番さんの唐辛子成分が減っていないような、気が。

2代目はブラック勤務に耐性が付いたのかしら・・・。
見た目もパッケージも1代目と変わらないけど、その体の仕組み、何が違うの?!
思いきって米唐番さんの頭を開けてみると、しっかりと内蓋が。

あぁ。

これを取らなきゃ、唐辛子成分減らないねぇ。
うっかりしてたよぉ・・・。

近くにいた旦那に、この2ヶ月、米唐番が非番だった旨を伝えると、彼は羨ましそうに呟きました。
「2ヶ月も有給か・・・」

パッケージを剥かれただけで、2ヶ月も放置されてた米唐番さん。
有給どころか、採用されたことすら知らずに米に刺さってたんじゃないかと思うと、また別の切なさが、胸に込み上げるのでした。



* 米唐番さん近影 *



2013年6月16日日曜日

嫁の居ぬ間に・・・

夕方、帰ってきたら、我が家の居間に巨人が侵攻しておりました。

薄闇に包まれた部屋の中、巨人と戦う人々の雄叫びが響き渡り、ソファーの上では、旦那様が弓を引き絞って石のように固まっているのです。

旦那様の前方から、槍を壊せと叫ぶ女性の声。
それに導かれて、彼は力強く腕を固め、的が定まるその時をただじっと待っているのでした。

余りに張り詰めた空気・・・!
私は居間の入り口に立ち尽くし、息を殺して彼の頬をつたう汗を見詰めておりました。


どれ程の時間が過ぎたのか・・・。

長い長い緊張の末、ついに一閃。
狙った巨人へ渾身の一撃を放った旦那様。
テレビ画面には、砕け散る巨人。


空気がほどけ、Wiiのコントローラー(さっきまで弓だった)をシュッシュッと前に突き出して、画面のキャラクターを前進させる旦那様。

ひと仕事を終えて曰く、
「あぁ、肩痛い」


・・・Wiiで、肩こり・筋肉痛の類はやめてくれぇ。
嫁は心の中で呟いて、静かに部屋の電気を点けたのでした。